構想策定にいたる経過

平成10年に施行された「中心市街地における市街地の整備改善及び商業の活性化の一体的推進に関する法律」は、主として民間事業者等の役割としての「商業の活性化」と、主として行政等の役割である「市街地の整備改善」を一体的に推進し、地域の振興を図ることを目的としています。

地方では市町村の顔である中心地の商業地域から、郊外のロードサイド店へ顧客が流出する、また大型店が撤退するなど空洞化が進展しているケースが多く見られ、対応策の一つとして複数の省庁にまたがる様々な活性化策を国が一丸となって展開しています。都市部の商業地域では、広域化した商圏の維持とさらなる拡大を、また地元の商業者の活性化を目的としてこの施策を活用しています。立川は、激化しつつある都市間競争に打ち勝つための明確かつ具体的な対応策や「仕掛け」の創出を模索しているところですが、中心市街地活性化への取り組みをテコにして、早急に展開していかなければ、街の集客力や消費が他の都市に奪われてしまう危険性があります。立川市域全体の産業振興と活性化への取り組みを行うことと、どちらが優先するかという問題ではなく、都市の顔である中心市街地のよりよい活性化と同時に並行して図っていく必要があります。

平成12年3月には、立川市による「立川市中心市街地活性化基本計画」が策定され、約460haの中心市街地の位置と区域、12項目の「市街地の整備改善に関する事項」、9項目の「商業等の活性化に関する事項」、ならびに2項目の「一体的に推進する事業に関する事項」が定められました。

立川商工会議所は、平成11年10月に当市の中心市街地活性化をどのようにはかるべきか、調査研究をすすめるため、「TMO研究協議会」(会長 細野助博氏 中央大学総合政策学部 教授)を設置しました。TMOとは、「中心市街地活性化法」に基づき、各地域の中心市街地エリアにおけるまちづくりの目的達成のために企画調整や事業を立案、推進する組織です。立川市中心市街地活性化基本計画においては、当所がその設立母体として大きな役割を担っています。

中心市街地のエリアにおいては、商店街の共同施設の設置、テナントを誘致等、また購買、保管など事業の合理化を実施するなど、TMO構想に盛り込まれた事業計画を立案しないと国の補助制度が受けられない可能性もあります。

まちづくりにおけるTMOの認識を高めていく必要があることを強く意識した当所では、TMOの概要や必要性について、平成12年度に「コンセンサス形成事業」を行う中で、商店街との勉強会や報告会等の開催をとおして、PRをはかり、地域の認識を高めるための工夫をしてまいりました。